きんざいと協会なら、断然「協会」?
きんざいは基本問題が多め、協会は実務向き問題が多め
FP試験を主催するのは、現在、きんざい(一般社団法人金融財政事情研究会)と日本FP協会の2団体となっています。
2級、3級に関してはいずれの団体で受験をしてもFP技能士を得ることが出来ますが、「それならばどちらで受験するのが良いのか」という問題は受験生にとって最大の関心事なのではないでしょうか?
ここでは例として、きんざいと協会それぞれの2級FP試験の合格率に注目すると、下記の通りまとめることが出来ます。
試験日 | きんざい 学科 |
協会 学科 |
きんざい 実技 |
協会 実技 |
2012年1月 | 20.29% | 38.96% | 23.02% | 49.17% |
2011年9月 | 24.98% | 43.11% | 44.02% | 50.66% |
2011年5月 | 29.69% | 42.51% | 42.65% | 56.92% |
2011年1月 | 21.43% | 35.63% | 25.02% | 69.34% |
2010年9月 | 30.31% | 43.11% | 35.05% | 36.64% |
2010年5月 | 49.50% | 55.20% | 68.07% | 42.23% |
2010年1月 | 23.49% | 29.17% | 32.61% | 43.06% |
2009年9月 | 29.09% | 34.25% | 38.56% | 44.58% |
これらのFP合格率から、「例年協会の方が数字が良いので、自分も協会で受験しようか」と安易に判断する受験生も実に多いものです。
しかしながら、FP試験においてはこうした合格率のみで受験を判断すると、思わぬ失敗につながるケースが多々見受けられます。
協会主催のFP試験の合格率がきんざいよりも高くなっている背景には、「FP実務経験者やこの資格への意識の高い受験生が多く集まっている」という要因が大きく影響しています。
それぞれの過去問を見てみるとすぐに分かることですが、きんざいが比較的基本問題を多く出題するのに対し、協会の試験問題には実務向きの設問が多く出題されているのです。
また、協会の試験で合格した場合、晴れてAFPやCFPとなれば合格後に会費や継続教育など一定の金銭的負担が求められることになります。
協会を選ぶ理由は、プロ意識
こうした出題傾向やキャリアアップの背景を知ると、きんざいとはそもそも受験者のカラーが異なることは容易に予測できますね。
実務経験で培ったスキルがあり、今後もプロのFPとして進んでいこうという意識が高いからこそ、協会主催のFP試験は合格率が高いのです。
もしもFP試験の合格率のみで安易に協会と決めてしまったら、ちょっと苦戦を強いられることにもなりかねませんね。
しかしながら、初学者であっても問題への取り組みやすさは個々によって異なります。
そのため、事前にしっかりと過去問を確認し、どちらを受験するのか決断するのが一番確実です。